康太です。
僕は常に「ネットもリアルもビジネスの本質は同じ」ということを言っています。
まあ、まともにビジネスをやってきた人なら「そんなこと当たり前だ」と笑われるかもしれませんが。
とにかく、だからネットビジネスで成果を出せる人は基本リアルビジネスでも困りません。
しかも、そもそもIT化が進んでいる中「ネット」「リアル」の垣根もだんだんなくなってきているので、区別すること自体ナンセンスな気もしますが。
ぶっちゃけ、どっちをやったってかまわないんですよ。
とにかく、今日の話の前提としてまず「ネットビジネスもリアルビジネスも変わらない」ということを一つ言っておきたいです。
で、今日の本題です。
今回は、先日も書いた「(ネット含め)起業するのに社会人経験は必要ない」という記事の補足でもあります。
前の記事でも言ったように、僕は「起業や独立の前にまずは会社員として経験を積むべき」みたいな意見には反対です。
「ピッチャーになる前にキャッチャーを経験しないのはもったいない」とか言ってるようなもんですから。
最初から起業した方が適性に合ってる人もいるかもしれないし、最終的に起業したいんだったら実際起業してみて、色々失敗も成功もしてみればいいんです。
ネットで起業するならリスクはないし、失敗し放題ですからね。リアルではそうもいかないけれども。
で、前回こういうこともお話ししたと思います。
だいぽんさんは
「会社員を経験しないのは成長の機会を逃しているというけど、起業しない人も同様に成長の機会を逃している」
ということをおっしゃっていて、もちろん僕も全面的に賛同です。
では、いったい「会社員では身につかない、起業しないとできない経験」というのは具体的にどんなものなんでしょうか?
これについては、僕には割と明確な答えがあります。
言い換えるなら、「会社の下で働く会社員」と「起業したことのある人」の決定的な違いであり、差です。
そして最後に、今、この能力が現代の情報社会ではものすごく大事になってきていて、一個人であっても身に着けて損はない能力なのだ、という話をしていきます。
「起業した人」にあって、「会社員」にないものとは
ずばり、その要素を一言で言うと
「自分で信用を作る能力」
です。
分かりやすいイメージで行くと、たとえばある大手起業の「営業一位」の人がいたとします。
彼はいろんな取引先で、どんどん自社製品やサービスを成約させていますから、もちろんある程度「信用」があると言えますよね?
少なくとも、他のあまり成果を出していない営業に比べれば、多少なりともその人の能力や人柄で「信用」を得ているはずです。
ただし問題は、この場合その営業マンが得ている信頼は半分「会社のブランドや社会的信用」がバックにあるからこそのものだ、ということ。
もしこの人が会社を首になったりすれば、彼が「その会社の営業マンとして」得ていた信用は一気になくなってしまいます。
あくまで彼の社会的信用力は、「会社のブランド、会社の肩書」があってこそのものだからです。
一方、個人事業主や個人ビジネスマンというのは「自分の力で」社会的信用をゼロから作っていく必要があります。
会社に所属することで得られる「肩書」や「信用パス」は使えません。
あくまで「自分」の力で信頼やファンを作り、ビジネスをやっていく能力が必要なのです。
普段から僕らは「信頼」をやり取りしている
こういうと、なんだか難しい話に聞こえますよね(笑)
「自分で信頼なんかどうやって築けばいいの?」
ですが、それも今の教育の悪いと思う部分ですが、僕らは日常レベルで「会社の肩書を借りず信用を作る」くらいのことはやっています。
たとえばここに、
「普段から真面目で約束を守ることに定評があるAさん」
と、
「不真面目で軽薄で、金遣いが荒いと評判のBさん」
がいたとします。
あなたが彼らの友人だったとして、真面目なAさんと不真面目なBさんがある事情で「お金を貸してほしい!」と、あなたに訴えてきたとします。
その時、あなたがどちらかにお金を貸す余裕があるとしたら、どちらに貸しますか?
多分、答えは言うまでもなくAさんでしょう。
なぜなら、あなたはAさんを「真面目」で「約束は守るやつ」だという「信頼」を持っているからです。
これを、金融業に置き換えて考えましょう。
Aさんがビジネスを立ち上げたいと言って、銀行にお金を借りたいと言った場合と、Bさんがビジネスを立ち上げたいと言って同様のことを言った場合、銀行は信用のある「Aさん」の方がよりお金を貸しやすいわけですね。
まあ、信用と言っても難しいことは全くありません。
僕らが普段使っている「信用」と、ビジネスにおける「信用」は全く根本は変わりません。
だから、普段の人間関係で「信用」を得られる人であれば、ビジネスでも「信用」を得ることは普通に可能です。
また、その「信用」を武器にお金を集めたり、自分の紹介で何かを買ってもらう(アフィリエイトなど)に転用することも十分可能なわけですね。
しかし、多くの人は「会社」という枠組みの中でしかビジネスをやったことがありません。
だから、「この会社の人」というブランド力を常に借りているような状態です。
その枠組みの中にいる以上、会社員は構造的にどうしても「自分でゼロから信用を作る能力」が、なかなか磨かれません。
自分の力でお金を稼ぐことも、商品を紹介して信用してもらうこともできません。
例えるなら、自転車にずっと補助輪を付けて走っているようなもの。
確かに補助輪で自転車の訓練にならないことはありませんが、補助輪付自転車にばかりずっと乗っていれば「補助輪なし」で走る力はなかなか磨けません。
というか、補助輪なんかなくても何度もこけて練習しているうちに、コツを掴んで乗れるようになる人が大半ですからね(笑)
だから、僕は「会社勤めの経験」は「起業の訓練」として全く必須ではないと思っていますし、自分で何かしら起業しないとこの「自分の力でゼロから信用やファンを合つける能力」は付かないと思っています。
まして、会社員には「一生そこで働く」という前提で、「自分の力で信用を得る」必要もあんまり感じずに働いている人も多いです。
特に、事務職とか、単純作業だと特にビジネスの「信用を作る」考えが全く磨かれない危険が大きいです。
「会社の肩書を使って、それなりに仕事を出来ていた、でも自分では何もしたことがありません、みたいな人はさほど評価されない」
というのは、この「信用」を個人の力で得る能力のことが大きいのです。
なぜ、「自力で信用やファンを得る」能力が今後必要なのか
もちろん、「自分で信用やファンを作る力」というのが、僕らが生きていくうえで絶対必須とまでは「今は」言い切れません。
また、時代に流されて意味もなく新しいものを取り入れろと言うわけでもありません。
単純に、自分が会社から放り出されたり、働けなくなっても「自分で生きていく力」として、一生役に立つ能力を付けた方が良いということです。
それが、さっきも言ったように「自力で信用やファンを得る能力」です。
たとえば、ネットせどりでも「毎回ちゃんと動く、しっかりした安い中古品を売ってくれる」という信用のある転売ヤーなら、そのぶん「この人なら安心して買える」と思ってたくさんの人が買ってくれます。
大手家電メーカーとも十分差別化ができるわけです。
また、アフィリエイトでも「この人が好きだから、この人のブログで紹介している商品なら買いたい!」という状態になれば最強です。
会社の名前で営業トップの人より、自分のキャラと信用だけで売り上げ出してる人の方が、ビジネス的な能力でいえば圧倒的に強いです。
出版社を通してる漫画家や小説家より、ネット上でツイッターや動画を通して「自分で作品を発信して公開」できる野良の方が、出版社に中間搾取をされにくいので、明らかにビジネス的には有利ですよね。
出版業界や、クリエイター業界での「専門スキル持ち」への待遇は本当に酷いものです。
僕のコンサル生にもプロデザイナーがいるのですが、売る上げトップでもアホな社長から
「お前の代わりはいくらでもいる」
「お前は仕事効率が高いから、そのぶん楽に仕事ができるはずだし、仕事あたりの給与単価を下げておくぞ」
などと信じられない扱いを受けていたそうな・・・
しかし、専門スキル持ちが「会社の肩書に頼らず、自分の力で信用を得て顧客を獲得できる」という能力を身に付ければ、こういった中間搾取でクリエイターを冷遇している会社は相当やばくなるはずです。
営業vs個人事業、あるいは出版社と契約してる小説家vsツイッターで自作品を発信するWEB小説家。
彼らの「個々のセールステクニック」や、「作品作りのノウハウ」自体は多分ほぼ差はなくなってきています。
大きな違いはいかに「自分」を発信し、その中で「信用」「ファン」をいかに自力で作るか。その能力だけです。
しかし、その能力だけで人生の選択肢に「大きな差」が出てきます。
自分で信用やファンを獲得できない=顧客を自分で集められないということは、どこかにその獲得を依存しないといけません。
だから、会社に従属するしかないわけです。
しかし、自分の発信能力があって、自分の人柄や信用をネット上などで「アピール」できる人は、顧客を自由に自力で獲得できます。
投げ銭機能や、販売代金をネット上で回収し、個人でも手軽にモノやサービスを売ることもできるようになっていますからね!
つまり、もはや会社に頼らなくても、世間に貢献しながら自分のより思った通りの価値を提供し、お金を得ていけばいいわけですね。
もちろん、僕らが生きている間にこういう流れがどこまで進むかは分かりません。
しかし、出版社の例から見ても分かるように、時代の変化で「必要なくなって」潰れる業種はもっとたくさんあると思いますし、今やyoutuberやブロガーが下手な会社の重役以上に稼ぐことも珍しくない時代です。
時代の流れが確実に「個人で稼ぐ」時代になってきているし、会社に勤めようという人もどんどん減っています。
極端かも知れませんが、小学生はみんな「サラリーマン」「公務員」になんかちっとも憧れていません。
みんな「youtuber」になりたいとか言ってますしね(笑)
一部の文字通り体を張った一発芸で命を燃やすyoutuberはちょっと違う気がしますが、ちゃんと商品の良さやゲームの楽しさを世の中に広め、「信用」「ファン」を獲得しているyoutuberが多くいて、彼らがお金を稼いでいるのはある意味当然です。
やってることは、会社に従属はしないだけで「商品のPRと宣伝」ですからね。
まとめ:会社員と個人事業の違いは「信用の獲得能力」
以上、見出しの通り会社員と個人事業の違いは「信用」「ファン」を「会社の肩書やブランドに頼らず」「自力で作る能力」というのが僕の理論です。
個人事業というのは、自分で大きな会社を作るにとどまらず、youtuberやブロガー、転売ヤー、すべてを含みます。
彼らは多かれ少なかれ「信用」「ファン化」を、ブログ発信や動画発信の中で行っています。
だから、その信用をベースに物が売れ、そして「自力で」お金が稼げているというわけですね。
と、いうわけで、今回は「会社員と個人事業主の違いは何か?」ということについてでした。
また、「じゃあ、自分で信用を作るってどういうこと?」というのがもっと知りたい方は次の記事も参考にどうぞ。